[面接質問]
教材研究してきたことを、すべて教えようと思って授業をしているのですが、子供たちは、話(説明)を聞こうとしません。そこで、つい大声で注意をし、その場を引き締めようとするのですが、思うようにいかないでいつもイライラしてしまいます。どこに問題があると思いますか。

学習コーチより

(1) 説明の多い授業(指導過剰な授業)
経験豊かな教師でも、つい、しゃべり過ぎて、児童生徒がすべきことまで、教えたり、やってしまったりしがちです。こうした授業は、児童生徒にとっては、退屈で緊張感も持続しにくいものです。おそらく、授業も少なからずそうしたことが原因となっていたのではないでしょうか。
一度、自分の授業を録画や録音をして検討してみてはどうでしょうか。きっと、一方的な話や指示で授業を進めていることに気付くはずです。もしそうだとしたら、説明しなくてもよい所はどこだったか反省し、その所を思い切って削除して、児童生徒に考えさせたり、発表させたりする時間を多く設けるよう工夫してみてはどうでしょう。

(2) 過剰な指導の減らし方
ア 教材研究をしっかりとやり、自信をもって授業に臨めるようにすること。

イ 指導の方向を変えてみること。 (発問を止め、ノートをとらせるなど)

ウ 1つの発問に対して、数名の児童生徒を指名すること。

児童生徒の質問、解釈、感想から授業を展開すること。

オ 児童生徒が「はっ」とするような大きく飛躍のある発問に切り替えること。

(3) 「教師が教えること」「児童生徒が考えること」
「教材研究したことはすべて教えなければならない」という焦りや、失敗に対する警戒心が原因となって、重苦しく沈滞した空気の中で、あなたは授業を行っているのではないでしょうか。
そのような授業を長い時間続けていくと、児童生徒は疲れ、精神的にも落ち着かなくなり、教師の話を聞かなくなるどころか、隣同士でおしゃべりを始めてしまうものです。
児童生徒にとって楽しく学び甲斐のあるよい授業とは、分かりやすくて、自らの学びを実感できる授業です。そのためには、教材研究で「教師が教えること」「児童生徒が考えること」をはっきりさせることです。そして、「教師が教えること」を絞り込み、児童生徒が考えたり、活動したりする時間を確保しましょう。教えることを絞り込むことも大切な教材研究です。