[場面指導]
ちょっと注意してもカッとなり、大声を出して反抗する児童生徒がいます。この児童生徒のために学級も落ち着きません。どのように指導したらよいでしょうか。

学習コーチより

(1) 特定の教師に反抗する場合
あなただけに反抗し、他の教師とはよい関係を保っている場合、反抗の背景としては、価値観や考え方の相違による苛立ちこじれ、注意のされ方の不公平感による反発、授業が分かりにくいなど教え方に対する不満をもっていることなどが考えられます。
そのような場合、誤解等から感情のこじれが生じていることが考えられますので、気持ちが通じ合うことによって解決できます。そのための手立てとしては、あなたの指導に対して、児童生徒がカッとなって暴言を発したとき、その態度の非を責めることを一時保留し、「言いたいことがあれば話してごらん」、「何が気にいらないの」などと、じっくり傾聴し、ゆとりのある態度で児童生徒に接することが考えられます。その場で話がすぐに聞ける場合もありますが、もし黙っているようであれば「あとでまた話そう」などと、話のできる機会をもつようにします。
このようにして、教師と児童生徒が本音で語り合える「場」「状況」「雰囲気」をつくることです。そして、児童生徒の言いたいことに耳を傾けながら折をみて、教師も自分の気持ちを語っていきます。児童生徒は自己主張しながらも自らの非に気付き、さらに、あなたの生き方に触れ、考え方を知ることによってあなたの指導を受け入れるようになるでしょう。反抗する児童生徒ほど、心に安らぎを求めているのですから、安心して話し合いのできる機会や場を早急につくるようにしましょう。
一方、短気な性格による反抗であることが判明した場合は、感情的にならないように、静かでゆったりした口調で話しかけ、気持ちを落ち着かせてから、話を進めるようにします。相手によって態度を変えることなど、児童生徒に不公平と感じられることのないように注意が必要です。

(2) どの教師にも反抗する場合
一人の教師だけでなく、どの教師の注意にも反抗する場合、反抗の背景には、幼児期から年齢に応じてしつけられるべき自己規制が身に付いていない、大人全般への不信感をもっているなどの背景があることが考えられます。
このような児童生徒は、一人の教師だけの努力では行動が改まりません。家庭の協力も得ながら学校全体で組織的に対応する必要があります。ある学校での実践例では、「教師に対する反抗が見られたときには、どの教師も必ず注意する」「まちまちの対応を避ける」「家庭でも親に対する口のきき方の悪い場合があったら、必ず注意する」など具体的で実行可能な指導を継続して行いました。この対応は、保護者と学校の連携に基づいた再学習とも言うべきもので、効果が上がったと報告されています。