教員の自己効力感と仕事に対する満足度[OECD国際教員指導環境調査(TALIS)]

■OECD国際教員指導環境調査(TALIS:Teaching and Learning International Survey)は、
学校の学習環境と教員の勤務環境に焦点を当てた国際調査です。
2013年に実施された調査には日本を含む34か国・地域が参加しており、
文部科学省との連携のもとに、
国立教育政策研究所が国内における調査の実施を担当しています。
(中学校・中等学校前期課程の教員および管理職への調査実施)

■日本の教員は、
学級経営、教科指導、生徒の主体的学習参加の促進のいずれの側面においても、
高い自己効力感を持つ教員の割合が、
参加国平均を大きく下回りました。

その中でも特に、
「生徒の批判的思考を促す」
「生徒に勉強ができると自信を持たせる」
「勉強にあまり関心を示さない生徒に動機付けをする」
「生徒が学習の価値を見いだせるよう手助けする」
など
生徒の主体的学びを引き出すことに関わる事項について、
参加国平均よりも顕著に低い結果になっています。

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[注意]
このような結果が出た理由として、
日本の教員が他国の教員に比べ、
指導において高い水準を目指しているために
自己評価が低くなっている可能性、
実際の達成度にかかわらず謙虚な自己評価を下している可能性があります。

日本は、
学級の規律的雰囲気が最も良好な国の1つでありますが、
表12.1では、
学級運営について
高い自己効力感を示す教員の割合が
参加国平均を下回っています。

なお、
日本を含む多くの参加国では、
教員の自己効力感は、
「年に5回以上、専門性を高めるための勉強会に参加する」
「年に5回以上、他の教員の授業を見学し、感想を述べる」など、
教員間の協力や協働を行った場合に統計的に有意に高いことが見られます。

そして
日本の教員の現在の職務状況や職場環境への満足度は、
全体として、
参加国平均を下回っていますが、
「全体として見れば、この仕事に満足している」と回答する教員の割合は高くなっています。
(日本85.1%、参加国平均91.2%)。
職業としての教職への満足度については、参加国平均と大きな差はありません。

最後に、
日本では、
他の多くの参加国とは反対に、
女性の教員よりも男性の教員の自己効力感が高く
また仕事への満足度も高い傾向にあります。
また、
日本を含めて全体として、
勤務年数が5年より長い教員は5年以下の教員に比べ、
自己効力感は高いが仕事への満足度は低いといった傾向が見られます。